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2020.03.18
本『最初に夜を手ばなした』

先天性聾唖に加え、次第に視界も奪われるアッシャー症候群を抱えた椿冬華さんのtwitterでのつぶやきから生まれた本。
https://www.amazon.co.jp/最初に夜を手ばなした-椿-冬華/dp/483873087X

最初に夜を手ばなした。
そして次々に大事なものを手放していく。
「ボール」、「みんなで」、「冒険心」、「昼」、「本」、「テレビ」、「ヒト」。
1つ1つ奪われていく大好きなこと。
その絶望感は想像すらできません。
「好きなことがいつまでも手元にあるとは限らない」。
だからこそ、今を後回しにしないで!そう彼女は叫ぶのです。
しかし、この1行を境に閉ざされた彼女の世界がもう一度大きく広がります。
その道を切り拓いてくれたのはスマートフォン。
制作のやりとりもほとんどLINEだったといいます。
「ONE PIECEの完結を見届けるまで失明なんかしてられっか!!」という言葉で締めくくる椿さんの言葉はどこまでも明るく前向き。
記憶のピースを想像力で補って、次から次へと自分自身の物語を紡いでいくのです。
どんな暗闇の中にあっても常に光を見いだせるのは、彼女の諦めない心と豊かな想像力の賜物ですね。

できる?できない?
そうではない。
やるか。やらないか。

彼女の言葉が心に刺さります。

角川つばさ文庫編集長、カドカワ・ミニッツブック編集長を歴任した松山加珠子さん編集の本。
よろしければぜひ手にとって見てください。
松山さん、献本ありがとうございます(^^)