プログラミング教育

2015.05.29
【レポート】Raspberry PiとScratchを使った授業@京陽小学校

CANVASが推進するプログラミング学習プロジェクトPEGページより転載。

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4月の教員研修を受けて、今年度も京陽小学校のRaspberry PiとScratchを使った授業が始まりました。
5年生の市民科の単元「グループで話し合ってプログラミングしよう」(全6時間)では、3人1組のグループで課題の「飛行機を飛ばそう」に取り組んでいます。
市民科は品川区独特の教科で、道徳の時間と特別活動、総合的な学習の時間を統合したものです。

子供たちは話し合いで、飛行機の離陸から着陸までの動きや位置を小さなホワイトボードにまとめてから、プログラミングに取り組みます。ポイントは、単に意見を出し合うだけでなく、試行錯誤しながら、表現方法を深めていくことです。
その結果はホワイトボードにフィードバックされて、仕様が細かくなっていきます。
この方法だと、適当にやった結果がたまたま面白かったとか、根拠はないけれども多数決で決めるといったことが少なくなり、深い議論ができるようになります。

全員分が用意されているRaspberry Piも、あえてグループに1台とすることで、話し合いが活発になり、期せずしてペアプログラミングに似た効果が生まれていました。
その5回目となる5月27日の授業は、それまで作ったものをグループ毎に発表し、他の児童からの質問や意見を受けるところから始まりました。
発表は、単に結果の動きを見せるだけでなく、プログラム内容も含めて説明していました。
質問も、速度の変更方法や画像効果の付け方を聞くような具体的なものでした。
これは明らかにプログラム開発におけるコードレビューです。
残りの時間では、もらったアイデアを各グループに持ち帰り、仕様のブラッシュアップと実装を行っていました。

通常の授業では、一度作ったら終わりで、作品の評価に児童が関わったり、その結果を受けて改良することはまれだと思いますが、この授業では複数回の繰り返し(イテレーション)が行われており、これもモダンな開発手法に沿ったものです。

京陽小学校での活動も2年目に入り、昨年度とは違う次の段階に入ったように感じました。
子供たちにとって、すでにRaspberry PiやScratchは日常化しており、珍しいものではなくなっています。
それらは鉛筆やノートのように自分の表現したいことを実現するための手段の一つとして定着した感があります。
次回はついに最終発表ということで、どのような作品が仕上がるか楽しみです。