その他
- 2020.12.18
- 文科省デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第6回)
委員を務める、文科省デジタル教科書の今後の在り方等に関する検討会議(第6回)の議事録です。
以下、3点コメントしました。
https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/157/gijiroku/1421924_00007.html
「1.学習者用デジタル教科書の利点等について」に関して
論じられている内容に異論はありませんが,デジタルの利点を論じるフェーズは過ぎており,当然必要なツールとして導入するという認識を教育分野でも持つタイミングではないかと考えます。
「2.学習者用デジタル教科書とデジタル教材の役割分担等について」に関して
(1)の学習者用デジタル教科書の検定の在り方に関して,『検定制度が必要であることには変わりがない」とありますが,社会が大きく変化する中で,その前提から考え直すことも必要ではないかと考えます。質の担保は重要ですが,その方法は今の検定なのか,改めて考え直すタイミングではないでしょうか。
令和6年度の改訂においては,デジタル教科書を法令上の教科用図書と位置づけ,デジタル教科書を無償給与の対象とすること,さらに,次の改訂までに前述の検定の在り方を検討するのが良いのではないでしょうか。それに当たり,かかるコストの算出と予算措置が重要であると考えます。
「3.学習者用デジタル教科書の使用を各教科等の授業時数の2分の1未満とする基準について」に関して
デジタル庁の新設に注目が集まっているように,社会全体がデジタル導入の加速,デジタルトランスフォーメーション推進に動いている中,今すべきことは,いかに利活用を高めるかということではないでしょうか。
以前の会議で,2分の1の基準を導入した根拠を質問したところ,『定量的エビデンスはないが,健康への不安・懸念の声が多い中で慎重に導入した』,『デジタル活用の制度的バランスを取った』という話がありましたが,その後の状況の変化を踏まえると,基準に明確な根拠がないのであれば,速やかに撤廃すべきであると考えます。留意すべきことは特にないと考えます。仮にあったとしても,一律の規制で制限することには抑制的であるべきと考えます。むしろ良いデジタル教科書の活用の仕方を広く共有する等,普及の方策について議論すべきと考えます。