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- 2019.11.09
- バルセロナのスマートシティ
先進的なスマートシティとして注目されるバルセロナに2日だけの弾丸で行ってきました!カタルーニャ州政府文化大臣(カッコイイ女性!)ともお話ができ、来年に開催を予定しているイベント時期に合わせた訪日を依頼してみました。予定を調整すると言ってくれたけれど、どうなるかしら?!
2000年からクリエイティブ産業とイノベーションの創出を目指しスマートシティプロジェクトを推進するバルセロナ市は、都市のICTの共通基盤としてWi-Fiを張り巡らせ、街中に設置されたセンサーからデータを集約するプラットフォームを構築しています。そして2014年には欧州委員会から最もイノベーションを推進している都市「iCapital」に選定されました。
エネルギー効率をあげ、市のコストの削減につながるスマートライティング。温度や湿度、人の存在、騒音の情報も受信でき、通行量等の状況に併せて明るさを調整できます。光熱費が30%程度削減されたそう。
街のゴミ箱の満空情報をセンサーで検知することで最適なごみ収集ルートを計算してくれるスマートガベージ。市のごみ収集コスト削減につなげています。
駐車場の道路にセンサーを埋め込み、利用可能な駐車スペースをドライバーに通知するスマートパーキング。これにより混雑の緩和と市の駐車料金収入の増加を達成。また、観光客の滞在時間が増加し観光収入が増加するメリットもあるそうです。
自転車シェアリングサービスを広げ、車利用を減らすスマートモビリティ。自転車の利用促進により、市内を走行する車の数が減り、交通渋滞の緩和や排出ガスの削減の効果をもたらしているそう。自転車はバルセロナの移動手段として主要な役割を果たしており、1万2千人のユーザーを抱えるとか。
市民がバスを利用しやすいよう戦略的にバス停を配置したスマートバス。バス停ではデジタルサイネージにバスの運行情報や行政情報、広告などが配信されています。
公園に設置されたセンサーでは、温度、湿度、日光、気圧などのデータを検知。それにより土壌が乾燥した時のみ水を撒くことができる。水の使用量の1/4削減に成功。また運用を機械化することで人的コストも削減できたそう。これはスマートウォーターかしら?
早朝から街を散策し、ゴミ箱などをしげしげとながめていたら、怪しまれました^^;
バルセロナのスマートシティは、経済成長を促進するとともに市民の生活の質を向上させることを目的としています。テクノロジーありきではなく、市民のためのテクノロジー利用であるという方針を明確に示し、スマートシティ開発における市民参加を促しているのです。データをオープンソースとし、データは市と市民に帰属させる。そして、デジタル民主化、デジタルエンパワーメントを実現するためには、市民のテクノロジーリテラシーの向上が必須であると考え、デジタル教育/STEAM教育にも力を入れています。ファブラボはそのための大きな役割を果たしているそう。私もバルセロナのイノベーション地区「22@」にあるファブラボを訪問し、街に埋め込まれているIoT機器を見せて頂きました。
バルセロナ市は、街へのIoTの実装による産業の活性化や雇用拡大という具体的な成果を出しています。Cisco調べでは、市内に30億ドルの価値を創造したとか。あわせて、公共サービスの効率化等、都市課題の解決につなげています。なによりも市民の生活に大きな変革をもたらしている点が素晴らしいですね。