デジタルえほん
- 2019.04.22
- ラフアンドピース マザー つづき
いま1000年に一度の大革命ともいえるデジタル革命を迎えています。学校で学んだ知識だけでは対応できず、誰も答えを教えてくれない、誰も答えを知らない世の中を子どもたちは生きています。
これまでは、より多くの知識を得ることに評価の力点が置かれていました。セ先生が持っている知識を一方向に生徒へ伝達する授業形態は、均一化された知識を身につけた人材を要する工業社会には効果的でした。
しかし、経済がグローバル化し、大量の情報が国境を超えて行き交う社会となると、多様な文化や価値観の人と協同し、新たな価値を生み出す力が求められる。 言葉を変えるならばコンピュータに代替できない、創造力とコミュニケーション力が求められるのです。
150年間変わらなかったと言われる日本の教育も、いまようやく変化の兆しを見せています。学校にはデジタル教科書が導入され、プログラミング教育が必修され、STEAM教育の重要性がうたわれています。新しい技術を活用し、記憶・暗記型から思考・創造型の学びに変化するとうことです。そしてその流れは海外においても同様です。
これまでも技術の進展とともに教育は変化してきました。活版印刷の発明は教科書を生み出し、一斉授業という教育手法を確立しました。20世紀には映画、ラジオ、テレビなどの新メディアが教育に利用されたました。21世紀、ITやAIは社会が求める人材像を変え、それがまた教育を刷新するのです。
私は、2002年にCANVASという団体を設立し、まさにデジタル時代の創造力や表現力を育む活動を産官学連携で推進してきました。
毎年開催してきた作りながら学ぶワークショップの博覧会イベント「ワークショップコレクション」には最大で2日で10万人の子どもたちが集まります。最近ではプログラミングやデジタルものづくり、STEAM教育カリキュラムが人気です。
そのような背景を踏まえて、このたび、ラフ&ピースマザーが立ち上がることとなりました。
ワークショップコレクションになぜ10万人も来るのか。それは保護者や子どもたちからのニーズがあるにも関わらず、供給が少ないからです。
海外の、子どもたちが遊びながら学ぶチルドレンズミュージアムをたくさんみてきました。日本にはそのような施設が少なく、日本につくりたいと思っていました。また手の平で家庭でデジタルでものづくりができるようにしたいと思ってきた。
やっと学校も変わる。スマホでいろいろなことができるようになる。
大崎会長もそういうのをやりたいとおっしゃっていて、ワークショップコレクションに出展してくれたり、よしもとと一緒にワークショップを展開したりしてきました。これを大きく広げていきましょうということです。
いま、誰もが経験したことがないほど目まぐるしく変化する時代をいきています。今日の常識は10年後の非常識かもしれない。そんな時代です。だからこそ子どもも含めて、これからを生きるすべてのひとたちが生涯にわたり学び続けることが大事です。
それにあたり大事なことは、「おもしろく・たのしく学ぶこと」「自分のなりたい/やりたいを大事にすること」「学校も含めて社会全体でまなぶこと」これを実現するのがこのプラットフォームです。
そのために、オンラインのプラットフォームをつくり、そしてそれを実体験する施設を作る。バーチャルとリアルを連動させたプラットフォームとなります。
このプラットフォームに期待すること。
それは、まず日本発で最先端の学びを世界に提示すること。
工業化社会においては日本は世界に誇る教育を構築し、世界の見本となってきました。Society5.0時代においても先陣を切りたいと思います。
もう1点は、日本の強みを世界に向けて発揮すること。
日本の子どもたちはとてもクリエイティビティが高いと思います。そしてそんな子どもに答えるコンテンツをつくる力も日本は最高です。日本初で子どもたちの創造力を育むデジタルコンテンツを開発・普及させ、子どもたちが存分に力を発揮できる環境をつくりたい。
今の子どもたちが大人になる頃にはたくさんの仕事がなくなると言われています。その通りになるでしょう。しかし、今の子どもたちは、たくさんのいまない仕事を作り出し、新しい社会を築きます。そんな子どもたちがたくさん生まれるプラットフォームになり、日本に世界に貢献できるとよいと思います。