超教育協会

2020.06.03
第3回超教育オンラインシンポジウム~尼崎市のオンライン教育の取組

今日の超教育ランチオンラインシンポは尼崎市の松本眞教育長。
広島県、熊本市に続き、「超教育長」シリーズです。
尼崎市がすごいのは学校のICT環境整備が進んでいない中でICTを活用した休校中の家庭学習支援を実現したこと。
学校のパソコン整備状況が全国平均5.4人に1台であることをもって教育情報化後進国と指摘されている中、尼崎市はなんと10人1台。
松本教育長は、休校が決定した直後から、方針を明確に定め、具体的なプランを設計し、しっかりと発信しながら進めてきました。
特徴的なのは市内2000人の先生の創意工夫を重視するため、家庭学習においても「担任」を中心に据えたこと。
「誰も経験したことのない状況下での課題解決は現場での創意工夫に限る。これはイノベーションの基本。」と松本教育長。
そしてICT環境整備が進んでいないことやネット接続が難しい家庭が5%存在する状況を理由にICT活用を諦めないというのが尼崎市の方針でした。
日本の公教育の常識に2つの変化が生じると指摘します。
「ICT活用の常識変化」と「公費負担と家計負担の常識変化」。
学校はICTを前提とした指導案づくりが求められ、学校の授業は大きな変革を迫られる。
これまでも家庭負担の教材等ありましたが今後はそこに端末や通信費が入ってくる。家庭で負担するものの優先順位を考える必要がある。
そして、教育の機会均等は「形式的」ではなく「実質的」に保障していく必要があると言います。
今回の対応を一時的な対処とせずどう恒久的に位置づけていくのか、今後の尼崎市の挑戦にも注目していきたいと思います。
「自分の地域ではオンライン教育等の対応が一切なされていない」という嘆きの声が毎回届きます。
ICT環境整備は当然迅速に進めるべきですが、その一方で環境がないことを言い訳にはできない。尼崎市の取り組みからそう感じました。
詳細のレポートはまた改めて。
松本教育長、どうもありがとうございました!
そして今回も参加&コメントをくださった文科省高谷課長、広島県平川教育長、視聴してくださった多くの皆さま、ありがとうございました!