超教育協会
- 2020.07.31
- 超教育「保護者の声~オンライン教育の重要性について」開催
超教育オンラインランチシンポではコロナ禍にオンライン授業を導入した自治体や学校を取り上げてきました。しかし、多くの学校はオンライン授業が導入されず、毎日時間割通りに配布される紙のプリントに基づき自宅学習をすることが求められました。そして、その負担の大きさに多くの保護者が悲鳴をあげました。
しかし不満を言っていても状況は変わらない。そこで中央区と世田谷区では保護者が立ち上がりました。4月21日の「中央区はオンライン授業を導入する予定がない」との報道に危機感をもった保護者が「中央区立小中学校オンライン教育を考える有志の会」を立ち上げ、緊急アンケートを実施しました。その結果、回答した1567人の保護者のうち95%以上がオンライン学習の導入に賛成していることがわかります。そしてほとんどの家庭でICT環境が整備されており、整っていない家庭へのサポートをすれば実現可能であることも調査から明らかになりました。
中央区の保護者は単にオンライン教育の導入を求めるだけではなく、導入に向けたステップとそのスケジュール、必要となるツールなど実現に向けた方法まで提案します。この通りに実施すればできる!そこまで整理して提案したのです。
その中央区のアンケートをきっかけに動いたのが「世田谷公教育ICT利活用を考える会」です。やはり99.6%の保護者がオンライン教育導入に賛成の声をあげました。教育委員会や学校の先生も参加するオンラインミーティングなども実施。同会の吉澤代表は、当初は電話回線が2本しかなく、YouTube視聴もできず、zoom等の外部ネットツールも使えない学校の状況を目の当たりにし、戸惑いました。
しかし、対話を続けるうちに、個人情報保護条例等に縛られ学校も身動きができない状況にあることを理解します。ルールの変更なくして自治体や学校の円滑なICT利活用は実現できないと主張されます。そして、今後は良い事例の水平展開をするとともに、保護者や地域もコンテンツ提供可能なプラットフォームを構築し、ハイブリッドスクーリングを実現することを提案します。中央区の平井さん、世田谷区の吉澤さんの動きに共通することは、具体的な提案を出し、学校や自治体をサポートする姿勢があることです。アフターコロナ教育は、学校・家庭・地域が連携しながら構築することが肝となるのでしょう。なお、国際協力の仕事を本業とする平井さんが、ご自身が担当するネパールよりも日本の方がオンライン教育の導入が遅れている状況に愕然としたという言葉が刺さりました。