その他
- 2021.05.17
- NHK中央放送番組審議会
モビリティコンソーシアム総会に出席して3時53分〜58分まで5分挨拶し、4時からNHK中央放送番組審議会へ。オンラインだからこそなせるわざ。
NHK中央番審もオンライン開催になって1年。リアル開催の頃には毎月開催されていた会議後の懇談会がなくなり寂しいという声もあがっていますが、もちろん対面でお会いしたい気持ちはあるものの、日程調整を考えると、今後もハイブリッドがいいな(*^^*)
というわけで、久しぶりに番審に関するメモ投稿。
今日はコロナ報道、クローズアップ現代、みんなのうた60についてコメントしました。
■コロナ報道について
コロナの報道に関して、今も○県は今日の感染○人、過去何番目、という報道が流れています。しかし、その「意味」は報じられていないと感じます。1000人なら多いのか少ないのかわからない。
1万人でも、空いている病床が10万あれば問題はないのかもしれない。
一方、もっと大事な、病床の逼迫に対する対策状況は報じられない。ワクチン確保の対策の状況、ワクチンの入手状況は摂取状況も報じられない。それで1年が経ちました。
感染者の多いアメリカやイギリスはワクチン接種が先行して平穏を取り戻しているといいます。大リーグ中継を見ても、観客の多くがマスクなしで楽しんでいる!!!
政府や自治体のコロナ対策に対する検証や批判は厚くなってきていますが、メディアの報道姿勢が国民の不安、経済の逼迫に与えた影響もとても大きい。これに対する評価・検証はどうなっているか気になっています。
■クローズアップ現代「ルポ・少年院~少年の更生現場で何が?~」
過去は反社会的な強者が来る場所だった少年院が、いまは発達障害や虐待被害を受けた人などがその生きづらさゆえに自暴自棄になって犯罪を起こしたり、もしくはその状況を利用されて犯罪の片棒を担がされたりなど社会的弱者が来る場所になっている。だからこそ少年院に求められる役割が変わり、そこは一人ひとりに寄り添い、傷を癒やし、対人関係の構築の仕方などを学んでいく場になっているといいます。しかし少年院で一時保護をしたとしても、そこから先に再度社会に出た際に、彼らを受け入れ支える人や場がないと再度犯罪に手を染めることとなる。という問題提起をする番組でした。少年院で過ごす子どもたちを通じて、複雑な社会課題にも目を向けさせている点においても非常に良い番組でした。今回は少年院を出た後にどう社会的排除を防き、一人ひとりが生きやすい環境をつくり再犯から守るかという点に焦点が当てられていましたが、実態としては非行・犯罪に走る前から社会的排除が始まっていたわけです。早期に適切な福祉的・教育的介入がなされていたらそもそも非行に走ることがない子どもたちが、残念ながら犯罪に手を染めてしまっている。この番組が明らかにしたことはその実態だと思います。最後に触れられていた、少年法改正で厳罰化の方向に進んでいるが、厳罰化すれば解決する問題ではないというのは、つまり本来必要なのは早期の治療や教育であると受け止めました。ぜひ次はそのあたりを深堀りした番組を期待したいです。
また、番組に出演していた団体の出院後の校正支援プロジェクトへの寄付者が増えたという情報をネットで見ましたが、番組で問題提起をしたあとに、どうその解決に向けたアクションを社会的に促していくか。そこまで意識した番組づくりを今後も期待します。
■みんなのうた60
それぞれの時代を代表する歌の蓄積は国の重要な文化資産。
歌だけではなく映像も一体となったテレビの遺産。
60年続いた理由の一つは色褪せない秀逸なネーミングだと思います。
みんなが知っている曲が少なくなる中で、みんなのうたは国民の同時代性を結びつける数少ない絆だと感じつつ番組を視聴しました。