超教育協会
- 2020.07.10
- 超教育「学習履歴データ活用の重要性について」開催
一昨日の超教育オンラインランチシンポは九州大学安浦副学長よりデータと教育のお話。
論点の提示をありがとうございます。安浦先生には超教育のデータ×教育WGのメンバーにもなって頂いたので、シンポの話をベースに継続して議論を続けます。
図らずも遠隔講義となりましたが、それはデータが取れることを意味します。授業の録画、テストの成績、課題への対応、質疑の状況。すべてが記録されるわけです。
今年は世界的に教育のDX推進の転換期となると指摘します。データに基づき教育を科学的に分析して改善できるようになるのです。
九大は2013年よりBYODを導入し、教育データを収集してきました。
遠隔授業での学生の学習行動をリアルタイム分析し教師にフィードバックすることで授業改善に活かします。
今回の遠隔講義の学習効果への影響は、対面授業と比較して有意差なしという結果がでているそうです。
また、学習活動と教え方のマッチングを最適化することにより10~20%の成績向上を見込めることも大規模データによるシミュレーションで検証済。
そして、現時点では生徒個人の学習効果や教員の授業内容向上の検証にとどまりますが、見据えているのは初等教育から社会人教育、社会全体でデータを活用することで学習者主体型教育を実現すること。
もちろんデータ収集に当たってはプライバシー保護は重要です。
今後の検討事項としては「他機関とのデータの互換性の確立」、「匿名性の担保」、「教育データの標準化」を挙げます。
最終的には国民の学習履歴データベースを構築するとともにオープンデータによる科学的教育を推進することを目指しています。