その他
- 2020.10.21
- NHK中央放送番組審議会
久しぶりにNHK中央放送番組審議会の投稿を。今日は委員長ご欠席につき会議の進行役を担いました。2020年度後半期の国内放送番組編成に関して、地方情報発信強化が重点項目の1つである旨、説明がありました。すでに平日午前に地方放送局制作の番組を放送する「NHK地方局発」、「列島ニュース」がスタートしています。私は、地方局の番組こそオンラインでも、全国に、世界に配信すべきと考えるので、オンデマンドでの展開を希望しました。
さて、視聴番組へのコメントとしては進行役につき最後の発言となったためそれまでに取り上げられなかった3つの番組を「プロの視線を追う」という勝手共通項を見出して取り上げました。3つの番組とは「漫勉 neo」、「100カメ なんばグランド花月」、「新感覚!目線のぞきみバラエティー 目神サマは知っている」。
「漫勉 neo」は、漫画家さんがご自身が描く様子を定点観測した映像をみながら浦沢直樹さんと語り合う番組。プロの制作プロセスをすべて公開し、それを本人含めて客観的に分析する様子を見せるのは最高の学びの方法と感じました。浦沢さんのマンガという日本が世界に誇る文化を次世代に伝えていく熱意と愛情にあふれている番組でもあります。 画面分割をし、描いている様子を常に表示しつつ、他の窓で必要な情報を出していく方式も面白く、これは漫画だけではなく、お笑い、音楽などなど他の表現領域においても展開してもらいたい!
「100カメ なんばグランド花月」は、年365日毎日公演・年間総動員数100万人を誇るなんばグランド花月が4ヶ月の休演を経て再開した現場に100台の固定カメラを設置し、再開に向けた関係者の奮闘を描き出した番組。「なにわ人情劇場」と表現されていましたが、隠された固定カメラだからこそ素の姿が描かれており、ひとりひとりのさりげない気遣いなどが見え、同時多視点で観察する面白さを感じました。お笑いも音楽も演劇も、ライブエンタメはコロナで最も打撃を受けた分野。まだ劇場の半分程度しか客を入れられず、芸人やパフォーマーだけでなく、照明、大道具など関係者全員が今も苦しんでいる状況です。その中で明るくたくましく奮闘する姿を見ることができるのは、文化をいかに支えていくべきかを考えるいい材料となると思いました。