超教育協会

2020.10.21
【開催報告】「リアル×オンラインの壁を限りなくゼロに 新たな教育の形を模索するための教室プロトタイプ ~未来の教室プロジェクト」

月曜日の超教育オンラインランチシンポは静岡聖光学院中学・高校の「リアル×オンラインのハイブリット教室空間構築」について平本先生・中村先生からお話を伺いました。

寮生活を送る生徒もいる同校は、学校再開後も首都圏在住の生徒等がオンラインで授業に参加をしてます。そこで、全員オンライン→1/4分散登校→1/2分散登校の経験を踏まえ、登校できない自宅の生徒も同条件で授業が受けられる教室に乗り出しました。コロナ禍のオンライン授業のアンケート結果をみると、生徒の満足度があがるのは「人と人とのつながり」を実現したとき。ではそれをどう担保するか。

静岡聖光学院が考えるハイブリット教室の特徴は、板書(先生の様子)、教室全体(生徒の様子)、スクリーン(資料)の3つの映像を組み合わせてオンラインで届けること。それにより、教室全体の様子も伝わり、グループワークや発表など双方向のやりとりも円滑にできるようにしたといいます。ハイブリット環境を整備することで、今後も台風や災害時に休校にすることなくオンラインで授業を実施することができるようになります。

しかし、同校は単に対面授業の代替としてオンラインを活用するのではなく、オンラインだからこそ実現できる取り組みに挑戦し、ハイブリット環境により学びの質を向上させることを目指しています。例えば企業や海外の学校と連携した授業の実施。留学や海外研修をイベントとして実施するのではなく、日常の授業の中に融合させていく。それができるのもオンラインならではです。

静岡聖光学院のすごいところはこのノウハウを公立学校も含めて全国の学校に広げていくことを念頭においていること。全国に広げるに当たり一番のネックになるのは費用。だからこそ1教室あたり20万円の制約を課し、その費用もクラウドファンディングで調達しました。全18教室。資金調達はなんとかうまくいきそうとのことで、静岡聖光学院の提案する「未来の教室」いや「未来の学校」を見る日を楽しみにしています。