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2025.10.11
松屋銀座「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法」

松屋銀座開店100周年企画「Tsu-tsu-mu展 世界をやさしく繋ぐデザインの作法」。

自然、日常、建築など、多様な分野から「包む」を集めた展示。松屋取締役会前に立ち寄りました。

「包む」という言葉には、不思議なやさしさが宿っている。閉じることでも、隔てることでもなく、そっと寄り添い、内と外をやわらかくつなぐ。

展示を巡るうちに、「包む」という行為の中にあるケア(配慮や気遣い)の精神が、どのように形を持ちうるのかが見えてくる。

お小遣い包みは、一枚の紙に心を忍ばせる知恵。

ヘルプマークは、見えない声をしるしによって包む優しさの表現。

松屋銀座の包装紙は、贈る相手への敬意をデザインに昇華し、幔幕は、空気を隔てながら風景をつくる。

光を和紙で包んだ照明は、まぶしさをやわらげ、空間にぬくもりを溶かし、懐紙や折形は、礼や思いやりをそっと手渡す「包み」の文化を伝えている。

それらの「包む」はすべて、他者へのまなざしから生まれている。

相手の立場を想い、距離をとりながらもつながろうとする所作。

包むとは、思いやりの形であり、分断を越えて人と人をつなぐ、やさしいデザインなのだと「Tsu-tsu-mu展」が静かに教えてくれた。

13日まで!ぜひ^^