チルドレンズ・ミュージアム
- 2020.08.12
- サンフランシスコ チルドレンズ・クリエイティビティ・ミュージアム
チルドレンズ・ミュージアム紹介第3弾。(「子どもの創造力スイッチ」より転載。)
アップル、グーグル、ヤフー、フェースブック。数々なIT関連企業を生み出してきたアメリカのベイエリア。その中に「チルドレンズ・クリエイティビティ・ミュージアム」はあります。子ども向けインタラクティブアート&テクノロジーミュージアム。簡単に言うとデジタルのものづくりミュージアムです。
メリーゴーランドの前にある円形の建物。螺旋状に上って行く廊下の壁には子どもたちのクリエイティブな作品がたくさん飾られており、そこを歩くだけでワクワクしてきます。
Photo courtesy of Children’s Creativity Museum
このミュージアムでは子どもたちの3つの「C」を育むことをうたっています。クリエイティビティ、コラボレーション、コミュニケーション(Creativity, Collaboration, Communication)。
「批判的に考え、広く協働し、より良くコミュニケーションし、多数の解を生み出し、作り出す力を育むことこそが21世紀に必要な教育です」。「次の世代の成功は、何を知っているかだけではなく、国際人として、クリエイティブに考え、行動することによって得られるのです」。
このミュージアムはすべてスタジオとラボから構成されています。アニメーションスタジオ、デザインスタジオ、ミュージックスタジオ、イマジネーションスタジオ、イノベーションスタジオ。
どの部屋も「想像して、創造して、共有する」というコンセプトにもとづき、ものづくりができる環境が用意されており、プロのスタッフが子どもたちのものづくりをサポートしています。
Photo courtesy of Children’s Creativity Museum
2歳以上を対象にしたイマジネーションラボでは、粘土やブロックなど様々な素材でものづくりをしたり、パペットを使って演じたりしています。6歳以上を対象にしたアニメーションスタジオでは、粘土や針金を使ったコマ撮りアニメ。キャラクターをつくり、背景を選び、1本のアニメーションを制作。つくったアニメはDVD等で自宅にもって帰り、家族やお友達と共有できるようにしています。
3歳以上を対象にしたイノベーションラボ。様々な工作素材が置いてあるこの部屋は、ベイエリアで有名なアーティストやゲーム開発者、エンジニアなどを招きデザイン思考を学ぶ場所で、渡されたボックスに入っているものだけでどんな革新的なものがつくれるか? ということに挑戦します。
同じく3歳以上を対象としたミュージックスタジオ。こちらのスタジオでは、子どもたちは、好きな衣装を着て、好きな曲を選んで、ブルーバックの前で歌い、背景を合成して、オリジナルのミュージックビデオをつくる。まるでスターになったかのように! 最後はDVDに焼いてくれます。
Photo courtesy of Children’s Creativity Museum
6歳以上を対象としたデザインスタジオ。フォトショップを使ってグラフィックデザインをつくる場所。他のスタジオと組み合わせると……ミュージックビデオのカバーアルバムがつくれたり、クレイアニメーションを紹介するポスターがつくれたり。こちらも印刷してくれたり、メールで送ってくれたりします。またゲームをつくるプログラミングワークショプも開催しています。
5歳以下の子どもたちを対象とした音楽やストーリーテリングなどのお部屋もあります。
さすがベイエリアにあるミュージアム。10 カ国以上の子どものミュージアムを見て回ってきましたが、ここまでデジタルに特化したミュージアム、ここまでものづくりに特化したミュージアムには初めて出会いました。
このミュージアムで育った子どもたちが、将来のスティーブ・ジョブズになるのでしょうか。
Photo courtesy of Children’s Creativity Museum