超教育協会
- 2020.03.24
- 全ての授業をオンラインで -オンライン教育推進ステイトメント-
全国的かつ急速なまん延のおそれのある感染症や大規模震災その他の非常事態の発生においても、途切れることなく教育の機会を確保するためのオンライン教育を強く推進する提言を発出しました。
コロナウイルスにより世界的に遠隔教育の導入が進んでいます。日本も1人1台ICT環境整備があと1年早ければと悔やまれるところではありますが、GIGAスクール構想のタイミングでその必要性を社会が切実に実感できたことを好機と捉え、然るべき対応をしていきたいと思います。さて、各大学が4月からオンライン授業への転換をすべく準備をしているところですが、学部におけるメディア授業により修得可能な単位数の上限が省令で定められており、それに対する懸念の声が多数挙がっています。
それらを踏まえ、オンライン教育推進の関連する省令・告示等における一時的な規制緩和を速やかに行うとともに、恒久的な規制緩和を検討することを超教育協会として求めたものです。また、併せて昨年成立した学校教育の情報化の推進に関する法律の改正も議論したく存じます。
本提言に関しては、突然の提案にも関わらず、議論の段階において、理事・幹事・評議員・会員の皆様から多数コメントが寄せられ、関心の高さがうかがえました。
特に、一刻も早く発出すべしと圧力をかけてきた夏野剛さんや、文章の修正案までくれた開成校長・東大名誉教授・ハーバード大元教授の柳沢先生の後押しに感謝します。
https://lot.or.jp/wp/report/1691/
全ての授業をオンラインで -オンライン教育推進ステイトメント-
2020年3⽉ ⼀般社団法⼈超教育協会
https://lot.or.jp/about/structure/
新型コロナウィルスの全国的なまん延を防止するために、政府は全国一斉休校を要請し、全国で休校が行われました。新学期からは、それぞれの地域の実情を勘案して再開されることになりましたが、今後も休校が続く地域が残るだけでなく、再び休校を余儀なくされる事態が現れることが懸念されます。
近年の規制緩和により、離島における遠隔授業や高等学校等におけるメディアを利用して行う授業が制度化されましたが、オンラインでの授業は例外として制度化されているにすぎません。
しかし、この予見が難しい時代を生きる子どもたちには、これまでどおりの対面型の教育のみでいいのでしょうか?これから必要となる力を育むにはどうすればいいのでしょうか?
決め手は教育のオンライン化です。デジタル技術を導入することにより、時間や場所にとらわれることなく、子どもの学習意欲を高め、学力の向上を促すとともに、創造力・表現力を刺激する。教え合い学び合う協働学習で21世紀を生きる力を養う。そして、何よりも、全国的かつ急速なまん延のおそれのある新たな感染症や大規模震災その他の非常事態の発生においても、途切れることなく教育の機会を確保するために、オンライン教育の充実を図る制度改正が強く望まれます。
ここに私たちはオンライン教育を強力に推進するため、以下を提言します。
1. 学校教育法施行規則(昭和二十二年文部省令第十一号)、大学設置基準(昭和三十一年文部省令第二十八号)、関連する省令・告示等における⼀時的な規制緩和を速やかに行う。
2. 学校教育法施行規則、大学設置基準、関連する省令・告示等における恒久的な規制緩和を検討する。
3. 全国的かつ急速なまん延のおそれのある新たな感染症や大規模震災その他の非常事態の発生において、児童生徒の教育の機会を確保するために、「学校教育の情報化の推進に関する法律(令和元年法律第47号)」を改正する。