超教育協会

2020.11.25
【レポート】第2回5G×教育ワーキンググループ

超教育委協会のwebサイトより

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2020年10月28日、「第2回 5G×教育ワーキンググループ」をオンラインで開催した。
当ワーキンググループは5Gの教育利用について当事者および有識者を招き、議論を深める場として設けられたもの。
今回は、各社での最近の動きを情報共有するとともに、5Gの利点を明確に打ち出せるような分野について議論した。

日時:2020年10月28日(水)10時00分~11時30分

まとめ

【前半 プレゼンテーション】

毎日新聞 大谷氏:VR「記者トレ」と俳句吟行
NTT 兼清氏、瀬下氏:「話者意図のモデル化」を進める
クアルコム 土井氏:常時接続PCで「ひとをつなぐ」
KDDI 斎藤氏:先端的テクノロジをキャンパスに導入
総務省 村瀬氏:超高速性に着目し「ガイドブック」作成

【後半 議論】主なコメント

・どこが5Gの教育への活用のターゲットイヤーなのか?
・5Gの3つの特色を活かすまでには、実装状況を見ると、もうしばらくかかるのではないか。学校に着目した場合、小規模校や地域で5G対応しているところは、機動的に対応できるかもしれない。
・リプレースの観点からすると、今後5年にかけて順次導入、といったところではないか。

・5Gを活用した海外事例はあるか?
・5Gが普及しているのはアメリカ、韓国、中国、ヨーロッパ諸国。教育に導入しようというプロジェクトが各国で立ち上がっている。(※補足:ドイツ、フランス、イギリス、イタリア、スペイン、韓国、中国、ブラジルの8か国が、すでにGIGAスクール構想と同様の「一人一台PC」計画を予算化する等、具体的に着手している。)

・複数社が集まって検証したいことをやれると良い。
・4月にiU(情報経営イノベーション専門職大学)を開設した。何らかの実証実験にお使いいただければと考えている。5Gコンテンツ制作、eスポーツ、起業などを、共同研究の形でできないか。

・5Gでなければできないものとして、eスポーツの実証はどうか?
・九州大学で5Gの実証トライ中であり、東大でも行っている。
・学校コミュニティにアプローチしてこの場に来ていただくのも一手だろう。

・合唱、セッションなどをオンラインで行う際、通信が4Gだと遅延があって難しい。4Gと5Gの違いを一般の人に分かっていただくには、低遅延性に着目すべきでは。
・eスポーツ、音楽の合奏ともに「低遅延の5Gだからこそできた」といえる可能性がある分野だろう。
・日本はLTEが高品質。ただし、LTEではできていないものもあるので、それを5Gで完成までもっていくのは、意義のあるトライアル。

・VRで5Gを使うと、如実に違いが出るか?
・KDDIでは虎ノ門に「デジタルゲート」を設置し、5Gを体感してもらう場を設けている。遠隔手術で手の触覚が4Gと5Gで違うことがわかるようにしているなど。
・教育の面でオピニオンリーダーに体感してもらうなども一手かもしれない。

・合唱のような双方向の通信になると、遅延も往復でかかることになる。5Gになることでの低遅延化に期待。
・VRだと通信遅延の他に処理遅延が発生し加わることになるので、そちらの考慮も必要。

・軽音楽バンドにやってもらう、などでもニーズがあるかもしれない。
・いま同時演奏ができていないので、できたときに感動がある。5〜6人のバンドでもいいのではないか。

・コロナで運動会や学芸会、音楽会が変わった。運動会や学芸会を令和に変えていくのはどうか。
・リモート時代になると、集団行動や人間関係性を学ぶ場はどこになる? という点は疑問に思っている。

・5Gの実証を、音楽かスポーツでやってみたい。
・iUには現時点で5Gは入っていない。専任教員もいるが、いま模索中。
・原資をどうするか、がひとつの問題。
・5Gの一気の面展開は難しい。LTEの時とは違って、悩ましいところがある。

今後のアクション

・音楽・図工・体育等の分野での活用を検討する
・5G実証実験を企画(iU等のフィールドを活用する。協力学校を募る)

以上