超教育協会

2021.03.10
【開催報告】「クリエイティブな学びを目指す聖徳学園のSTEAM教育とは?」

今日の超教育オンラインシンポでは、聖徳学園の品川先生にSTEAM教育実践についてお話を伺いました。

中高一貫校の聖徳学園は、以前から実施していたプロジェクト型学習を土台にし、知識を繋げて新しい価値を創造するための手法として3年前からSTEAM教育を導入されています。授業内容を聞いてみると「火星に一人取り残されてしまった人がいる。あなたがNASA長官であれば、彼を助けるのか助けないのか、理由と根拠を含めてプレゼンする。」「模擬定期考査問題&回答動画を生徒自らが作り、お互いにシェアする。」など非常にユニーク。正解のない問題を考え抜くことを重視し、そのためにも、生徒が自分で調べたい、お互いに学び合いたい、自分で考えを深めたい、うまく伝えたいと思うプログラムの開発をしているそうです。

与えられた条件や置かれた立場によって導き出される答えは変わる、自分で問題を作ったり解説動画をつくることで理解を深めるなどとてもよく考えられた授業だなと驚きました。さらにはリアルな社会課題の解決を実際にやってみるところまで取り組んでいるそうで、大学の授業のようですね。

生徒の成長について質問をすると、当初は先生が想定しているであろう答えを探しにいく姿勢が見られたものの、いまでは「人と違って良い」という前提に立ち、自分で考える姿勢が身についたと言います。というよりも「先生だってどうせ答えが分からないでしょ」と思っていると。学びへのスタンスが変化するというのは素晴らしいですね。

その一方で、評価の仕方に関しては頭を抱えているといいます。「情報」の授業で実施しているため、すでに形あるアウトプットをつくっている時点でスキルの確認はできているにも関わらず、やる意義を感じないペーパーテストをせざるを得ない。学びの内容、手法、評価ともに変化を考えるタイミングですね。