プログラミング教育
- 2021.03.14
- 「STREAMチャレンジ2021」全国大会
今日は、ロボットと共生する社会に向けて社会課題をPepperを活用して解決する「STREAMチャレンジ2021」の全国大会でした。MCかまいたちさん進行のもと、私はコメンテーターをつとめました。
最優秀賞は武雄市立橘小学校の「Pepperと一緒にごみひろい大作戦」。全校生徒が楽しみながら校内のゴミ拾いを行えるような動機づけをするPepperの開発。学年ごとに競争をしたり、全校での取組状況を可視化したりなどの工夫がなされ、88%の生徒が「楽しかった」、78%の生徒が「またやりたい」と回答したといいます。社会の課題は誰かが解決をしてくれるのではなく、一人ひとりの自覚的な行動が重要ですが、人の行動変容を促すのはそう簡単なことではありません。今回構築された枠組みは「ゴミ拾い」以外にも展開可能でしょう。「全校で取り組めば大きな力になる」まさにそのとおり!それを見事実現した橘小学校の取り組みは、STREAMコンテストの趣旨にも合致し、最優秀賞にふさわしいものであったと思います。
優秀賞1つ目は「食料問題を解決するPepper」。レタスの生育状況を栽培装置に搭載したmicro:bitで管理するとともに、得られたデータを今後の栽培方法の改善に活用するPepper。人の負担を軽減し、学校や病院など食糧生産に活用していない場で栽培を可能とすることを目指しています。掛川市立北中学校の取り組み。農業DXはもちろん、今後の様々な領域でのDXはもう彼らに任せればいいのではないかしら。プレゼン動画もエンターテイメント性があり秀逸で一見の価値ありです!
優秀賞2つ目は「交通ルールを正しく守り、悲しい事故をなくそう!」という藤枝市立高洲小学校のチャレンジ。静岡県の交通事故件数が全国ワースト1位であることを知ったこと、また高学年となり登校班のリーダーを任される中で低学年の子たちの登下校の心配を日々を過ごす中で生まれたアイデアとのこと。具体的には藤枝市が提供する通学路危険箇所マップのデータを活用し、通学路の危険箇所を確認できるプログラムをかきました。一方、データをそのまま活用するのではなく、自分たちの足で現場を確認し写真を撮影して、実態に基づいたコンテンツ作成を心がけています。また、地域の方々の協力で実証実験を行い、有効性を示しています。データを活用して地域の課題を解決する小学生。末恐ろしいです。
特別賞は、高校生の政治関心を高めるための「政治、社会問題を教えて!Pepper先生!」、詐欺被害を0にする啓蒙活動を担うPepper、独居老人の寂しさを軽減し救済するPepperの3作品。小中高校生にとって決して身近とは言えない課題を自分事として捉え、課題を分析し、具体的な解決方法を提案する姿勢に感心しました。
中学生チャレンジ賞は、藤枝市立葉梨中学校「もっと地域おこし隊」による、商店街のPRプログラムを作って地域を活性化させる取り組み。地域の方々にヒアリングし、資料を集め、86本ものプログラムを作成したといいます。中学生の情報発信は予想以上の反響があり、今後は安価な小型版Pepperを地域の店舗に設置したいとのこと。既存のツールを活用するだけではなく、そのツールの改善案も提案してしまう。そういうところから既成概念を覆す企画が生まれるのだと期待します。
小学生チャレンジ賞は「子どもたちの笑顔は僕たちが守る!保育現場の課題を解決するPepper」です。コロナで負担が大きくなっている保育現場を救うために小学生が立ち上がりました。保育士の現状をしっかりと把握しつつ、少し上のお兄さんお姉さんだからこその視点で子どもたちに有益なコンテンツを作成します。子どもたちの子どもたちによる子どもたちのための取り組み。素敵ですね。
印象的だったのは、最優秀賞受賞者をのぞいては、ほぼすべてのチームが「悔しい」と感想を述べたこと。各チームに有識者からの改善ポイントを含めたフィードバック動画が寄せられますが、どのチームもその指摘を真摯に受け止め、次回は最優秀賞を取るのだという意気込みを語ってくれました。その向上心こそが成長の糧ですね。
今年も明るい未来を感じることができる素敵な時間をありがとうございました!
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