プログラミング教育

2014.12.25
PEG成果報告イベント

【PEG成果報告イベント】
東京大学本郷キャンパス、200名定員のホールがほぼ満員に!
「子供たちだけではなく、大人たちも創造していくことが必要。
今日集まっている方々をはじめ、今は学校でも地域でも面白い取り組みが今たくさん生まれている。
今日もこれからもとても楽しみ。」
という文部科学省豊嶋課長からの熱い応援メッセージからはじまった「こどもとプログラミング-PEGのこれまでとこれから」。
オープニングトークでは、私から1年間の成果報告として、下記のような話をさせて頂きました。

——————-
CANVASでは、これからを生きる子どもたちに必要な力は「異なる背景や多様な力を持つ子どもたちがコミュニケーションを通じて協働し、新たな価値を生み出す力」だと考え、2002年から子どもたちの創造的な学びの場を提供してきました。
具体的には創作系のワークショップを全国各地で展開しており、毎年開催しているワークショップコレクションには2日で10万人の子どもたちが集まる程に成長し、創作コミュニケーション型の活動に対する保護者の関心が高まっていることを感じています。

その1つとしてプログラミングのワークショップもずっと提供してきましたが、一番人気がなりワークショップでした。しかし、ここ最近になりプログラミングワークショップの人気が高まっています。
その背景としては、新学習指導要領に基づき、2012年から中学校の技術家庭科で「プログラムによる計測・制御」が必修になったこと、2013年6月に閣議決定された成長戦略に「義務教育段階からのプログラミング教育等のIT教育を推進する」と記載されたことがあります。

また、海外においては、イギリスやエストニア、韓国、フィンランドなどいくつかの国でプログラミングが必修になった他、公教育以外でも、アイルランドでたちあがった子どもにプログラミングを教えるCoderDojoという団体が世界45カ国にひろがるなど、子どもにプログラミングを教えるムーブメントがおきています。2013年12月にオバマ大統領の「ビデオゲームを買い、アプリをダウンロードし、遊ぶだけではなく、自分でつくってほしい。すべての人にプログラミングを学んでほしい」というプレゼン映像がさらにそれを後押ししています。
これらの社会的状況やこれまでの経験を踏まえ、CANVASはgoogleの後援により、プログラミング学習を本格的に全国に広げるプロジェクトPEG(programming education gathering )をスタートしました。

昨年10月には米グーグル会長であるエリック・シュミット氏が来日してくださり、このプロジェクトキックオフの記者会見も行いました。具体的には、6〜15歳の子どもを対象とし、手のひらサイズのコンピュータラズベリーパイ5000台を活用し、今年度1年間で2万5000人の子どもたちにプログラミング学習を届けることを目標に活動をスタートしました。
すでに全国の90の小中学校、大学、教育関連団体、7地域の自治体・教育委員会との連携により、2万人の子どもたちに提供をしています。例えば、東京都品川区立京陽小学校にて、全校児童約350名にラズベリーパイが贈呈され、国語・算数・理科等の教科授業においてプログラミング学習が導入されています。
またワークショップ・授業の開催だけではなく、指導者研修等を通じたワークショップ・授業の開催支援を行っています。
すでに1000人の先生に研修をしてきました。また、PEGのウェブサイトを通じて、全国から寄せられたアイデアや授業例を共有したり、プログラミング学習に関する情報を集約し、全国に発信する活動も行っています。

PEGが最も大事にしているのは「gathering」。
学校も、ミュージアムも、NPOも、家庭も、地域も、企業も、自治体も、みんなで集まり、力をあわせ、プログラミング学習の輪を広げていく運動をつくっていきたいと願っています。
実際に、愛知gathering、横須賀gathering、北九州gathering、郡山gatheringなど12地域でgatheringがスタートしています。
年度内にもう1箇所増える予定です。

CANVASが子どもたちに提供したいのは「教育」の場ではなく、「学習」の場。
子どもたちはワークショップを通じて「自ら学ぶ」ことを学んでいます。
私たちが伝えたいのは、プログラミング「を」学ぶことではなく、プログラミング「で」学ぶこと。
情報化社会を生きる子どもたちに必要な力は、コンピュータには決して代替できない創造力とコミュニケーション力。
それらを身につけるにあたりプログラミングは非常に有効です。
このプロジェクトを通じ、論理的に考え、問題を解決する力、他者と協同し、新しい価値を創造する力を養ってほしいと願っています。
成果発表会ではありますが、これからが本番、今からがスタートだと思っています。
全国のネットワークを通じて、子どもたちに継続的なプログラミング学習の場を提供したいきたいと思っていますので引き続きどうぞよろしくお願い致します。
——————-

その後は、「こどもたちがプログラミングを学ぶ意味」についてPEG監修阿部先生と対談。
しかし、今日の主役はPEGパートナーであり実践者である6名のプレゼンと子どもたちの作品発表。

【PEGパートナー発表】
・上板橋第二中学校新村教諭
・宮城教育大学附属中学校浅水教諭
・桜美林中学校笹倉教諭
・墨田区教育委員会宮崎氏
・新座子育てネットワーク高橋氏
・codeMo天沼氏
学校の授業、クラブ活動、家庭学習、児童館等の地域施設。
この1年で、PEGでは学校教育・社会教育両面、北海道から沖縄まで、さまざまな実践が生まれました。
今日登壇いただいた6名の皆さん以外にもたくさんの活動がありますが、引き続きパートナーの皆さんと手をとりあって、さらに活動の環を全国にひろげていきたいと思っています。
ご登壇いただいたパートナーの皆さま、本当にどうもありがとうございました。

【アカサカキッズ発表会!】
4月からプログラミングラボ in アカサカに毎月参加をしてくれていた子どもたちによる成果発表会も行いました。たくさんの大人たちの前で緊張したことと思います。
しかし、子どもたちは限られた時間の中で、しっかりと作品の魅力を伝えることができました。
こどもたちのアイデアや作品のクオリティに、来場者の方々はとても驚かれたようで、発表会後もたくさんの人に声をかけられている子どもたちの姿が印象的でした。

*「みんなのラズパイコンテスト」の結果発表もあり、アカサカキッズの水野優希君が学生賞、瀬谷理乃ちゃん香乃ちゃんがRapiro賞を受賞したとのことです!
おめでとうございます!
http://coin.nikkeibp.co.jp/coin/itpro-s/seminar/LIN/rpic15/