プログラミング教育
- 2019.10.14
- STEM/STEAM教育とは Vol.4 STEM教育とプログラミング教育
STEM教育に関する取材や質問を受ける機会が急増しているが、日本においてはSTEM教育といいながらもプログラミング教育の内容を聞かれることが多い。STEM教育はプログラミング教育を内包するものであり、合致するものではないが、Society5.0時代のSTEM教育の特徴は情報技術であるため、プログラミング教育ムーブメントとSTEM教育ムーブメントは密接な関係があると考える。特に日本のプログラミング教育の必修化はSTEM的であると考える。
プログラミング教育の必修化の背景は、AI、IoT等の技術が牽引する第5の文明刷新 「Society5.0」は、産業に留まらず社会・文化・暮らしの全場面に変革をもたらしうるものであるからこそ、全ての人にとって重要な教育問題として議論されるようになったということが挙げられる。コンピュータがあらゆるモノ、分野、環境に溶け込み、定着し、私たちの生活・文化・社会・経済のあらゆる場面を支えているからこそ、プログラミングが全ての人に必要な基礎教養となったのだ。プログラミングをSTEMに言い換えても同じことが言えるだろう。
そして、プログラミング教育は、体験を通じてコンピュータの特性を理解し、身近な生活でコンピュータが活用されていることを知り、問題の解決には必要な論理的・創造的な思考方法を育み、コンピュータをよりよい人生や社会づくりに生かそうとする態度を身に付けることを目的としている。またプログラミングを学ぶ新しい教科ができるのではなく、各教科の単元の中にプログラミングが盛り込まれることで教科横断的なカリキュラムづくりが学校に求められている。教科横断的につくりながら学習することで、断片的な知識を統合し活用する力を育むとともに、各教科科目の理解を深めることを目ざしている。また社会と連携・協働することによってプログラミング教育を通じた「社会に開かれた教育課程」が期待されている。
前述した「STEM分野の知識・技能」、「それらを活用する力」、「論理的思考力・創造力といった21世紀型スキル」といったSTEM教育が育む力、そのための学びの手段としての「教科横断的・統合的」、「プロジェクト型」、「社会の文脈の中での実践的」といった共通項が見いだせるのではなかろうか。
諸外国のSTEM教育の推進においては、産学官連携、公教育と社会教育の連携が重視されていることが多く、プログラミング教育を通じた社会に開かれた教育課程を標榜している点と類似が見られる。
STEM/STEAM教育とは Vol.7 おわりに
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